私はこれまでたくさんの人達と関わってきました。
大変尊敬できる人物,そうでもない人物,軽蔑すべき人物,様々な人がいました。
人物の特性というのは日々流転するものだと思います。
以前は大変尊敬していた人物が,今では輝きを失ったり,
以前はそうでもなかった人物が,今では光り輝くものを持っていたりすることがあります。
光り輝く尊敬すべき人物が,共通して持っているのは,「あくなき向上心」と「他者への思いやり」だと思います。
これらを維持し続けるのは大変困難です。
様々な外的因子(社会的地位や名誉等)によって,思い上がり,大切なものを失うのではないか,と私は分析しています。
私は,これから想像だにしないような様々なことを経験することになると思います。
決してぶれることのない軸を持っていなければ,たちまちに自分を見失います。
だから私は原点を常に意識します。
私の原点は,1回目の新司法試験の不合格です。
あの時の悔しさは絶対に忘れません。
4畳半の自宅で,泣き叫びながら床を殴り続けた拳の痛さと絶望感は,私の身体に深く刻まれています。